現代政策學部 Faculty of Contemporary Policy Studies

教員の獨り言

現代政策學部の教員が、研究?教育の合間に日々考えていることをご紹介する教員コラムです。

2020年 2 月 実際の現場から學ぶこと 柳澤智美
現代政策學部は、政策學、法學、経済學、IT、福祉、文化など幅広い専門分野の教員から構成されています。研究論文や教科書ではない読みやすい形で、研究?教育の一端を毎月ご紹介させていただきます。
第4回は政策學が専門の柳澤智美先生です。
川越に河越抹茶の會というNPOが存在しています。この河越抹茶の會の存在を10年くらい前に知りました。なかなか連絡がとれないことが続きましたが諦められず、「お話がしたい」と突然電話したのがきっかけとなり、連絡を取ることができたのが2017年10月です。その後、2019年6月に、高崎経済大學で日本地域政策學會が開催されました。発表したテーマが、「古くて新しい河越茶」です。特産品で地方創生ができるという?幻想?という記事が2015年2月東洋経済オンライン(2020年1月26日現在)に掲載されています。この記事にあるように特産品が必ずしも地域の活性化や創生に貢獻できるとは限りません。特産品になるためにはいくつかのハードルがあります。それらを政策學的に考えれば、総合的に地域の特産品になるためにいくつかある問題を解決しなくてはなりません。具體的に地域の問題や、問題とされている構造を把握することで地域活性化へ向けた解決のためのビジョンとミッションが達成されなければなりません。面白いから等の消費者を意識しない特産品作りは活性化につながりません。
この河越茶は特産品になれる要素を多くもっています。まず消費者側に立ち面白いから作るのではなく、茶農家さんの需要を捉えていることや、川越の歴史を學びその歴史に沿って河越茶と名付けたところ。NPOと株式會社に別々の機能を持たせたことで行政からの「補助金頼み」でもない「內輪受けの商品開発」でもない、當たり前の「営業センス」と「當たり前の商品開発」を確実にこなしています。こうすることで持続可能な地方の活性化につながる地域に信頼される特産品を生み出すことができると考えます。NPO法人河越抹茶の會代表の林さんが川越には何があると聞かれたら、「芋と抹茶がある」といわれることを目標にしていると話されていました。しっかりとした営業で著実に河越抹茶を使用する店舗を増やしています。
私自身、中國の雲南省の山に登ってしまったり杭州に何度も行ったり、さらには臺灣ではご飯もろくに食べずお茶だけ飲みにいって5㎏ほど痩せて帰って來てしまったりするほどお茶が好きです。そのようなこともあって、10年前からひそかに応援し続けているのがこの、NPO法人河越抹茶の會です。ようやく連絡がとれて、この活動を調べるために茶農家さんにインタビューにいったり、河越抹茶の會の皆さんにデータを頂いたりと多くの協力も頂きました。その結果をもって、日本地域政策學會で発表することができました。今後も、さらに「勝手に」応援しようと考え、地域での経済効果なども調べてみたいと考えています。河越抹茶の會の皆さん、データのご協力ありがとうございました。これからも研究成果を発表することで河越茶を広めていきたいと思います。おいしいお茶をこれからもよろしくお願いします。

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2020年1月 ケニアのスラム學校パソコンラボのプロジェクト リッチー ザイン
現代政策學部は、政策學、法學、経済學、IT、福祉、文化など幅広い専門分野の教員から構成されています。研究論文や教科書ではない読みやすい形で、研究?教育の一端を毎月ご紹介させていただきます。
第3回はコミュニティ福祉 歴史、言語がご専門のリッチー ザインです。
2015年にアフリカに行きケニアのナイロビのThe Management University of Africa(アフリカ経営大學)を訪ねた時にコロゴチョという大きなスラム街Grapesyard School(グレープスヤード?スクール)學校に招待されました。グレープスヤード?スクールはNPO団體で、學生數は約1200人が在學している貧困地にあるNGO団體學校のため、ケニア政府より支援などがありません。この現狀の中、教材、施設などは大変不足しており、とても苦難の狀況下にある中で多く生徒の育成を行おうとしている団體です。そこで、貧困な子供たちの教育のために何か貢獻することができるのではないかと考え、日本人にとっては不要なパソコンを回収し寄付することにしました。そこでいかにして支援できるかと考え、2016年に他の研究者達と共に同じ學校に渡り、當初はたった10臺のパソコンを持ち込む活動から始まりました。そしてグレープスヤード?スクールでパソコンラボを立ち上げました。このパソコンラボでは、教室に接続環境が整っており、パソコンさえあれば、それだけ多くの生徒が授業を受けることが出來るような環境を準備しました。またサーバー(Raspberry Pi)に接続することによって、デジタル教科書が使用出來るようにしました。また翌年に再度戻り、臺數を20臺ほど増加し、より一層ラボの環境を改善しました。さらにナイロビのNGO団體グレープスヤード?スクールを支援するAcademic Supporting Korogocho(ASK)という団體も所屬し、コロゴチョにある學校の教育支援の活動をしています。生徒たちが學ぶ環境を改善する共に、パソコンによって映像、動畫、デジタル化されたテキストなどによって授業を提供すれば、より幅広く勉強することも出來、より可能性が生まれ、更に自由に學ぶことが可能です。パソコンで授業を行うことによって、同時にパソコンスキルを身につけることが出來、將來の就職活動にも役に立ち、未來のIT世界に貢獻する可能性も高くなります。しかし、パソコンの臺數が少ないので現在は限られたクラスの生徒しか觸ることができないのが現狀です。今年の夏に、現代政策學部の9名(1年生4人、3年生3人、4年生3人)が自分たちでパソコンを集めて、15臺を現地に持って行き、直接學校に寄付しました。これによって、パソコンラボの臺數は35臺になり、より快適な勉強の場となりました。 しかし、このプロジェクトは完了した訳ではありません。今後の課題としては、まず、デジタル教科書をオープンソースにすることと、より學校のカリキュラムに適切なテキストを整えないといけません。また今後もパソコン臺數を増やしたいと考えているので、不要なパソコンがあれば、私に聲をかけてください。皆様のご協力をお願い致します。

 

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スラム學校のシンポジウム

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スラム學校の生徒と遊んでいる様子

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2019年9月スラム學校のパソコンラボの風景
2019年12月 株主優待制度と企業のしたたかさ? 佐藤純訟
現代政策學部は、政策學、法學、経済學、IT、福祉、文化など幅広い専門分野の教員から構成されています。研究論文や教科書ではない読みやすい形で、研究?教育の一端を毎月ご紹介させていただきます。
第2回は商事法(商法?會社法?手形小切手法)がご専門の佐藤純訟先生です。

企業が、顧客とは別に、株主に自社の商品購入や施設利用について株主優待制度を設けていることがあります。無料食事券、商品割引券、自社商品詰め合わせ、無料プロ野球観戦券、社會貢獻活動団體への寄付等々、さまざまなものがあります。持株數や保有期間により異なりますが、たとえば、オリエンタルランドでは1デイ?パスポートが交付されます。みなさんのなかにも株主として、株主優待商品が屆けられている人もいるのではないでしょうか?
リーマンショック以降、株主優待制度を廃止する企業もありましたが、近年は、漸次、導入企業は増加傾向にあります(右記事は毎日新聞 2014年12月8日)。

ところで、株主優待制度は、企業にとって財務負擔となるし(商品の無償交付等)、會社法で強制されているわけでもありません(そもそも規定はありません)。
それにもかかわらず、導入企業が増加している主な理由として、次のことが考えられます。①株主本位であるというイメージ作り、②これに関連して、自社商品?サービスを知ってもらう、③資金調達の便宜、④M&A対策です。
①②はすぐにおかわりでしょう。③については、投資家が特に銘柄にこだわらなければ、株式購入の理由となるからです。

優待花盛り

それでは、④について少し説明しましょう。
買収者が購入予定株式數(例えば、30%)を取得するには、當然、購入資金が必要となります。ところが、株主が容易に手放してくれなければ、さらに資金が必要になって、結局は頓挫するということにもなります。ある企業のアンケート調査によると、株主が株式を長期保有する理由として、「株主優待制度があるから」の回答が約70%もありました。また、トイザらスでは、業績悪化による財務負擔から優待制度を廃止した結果、株価がストップ安となりました。株主優待制度の効果としての株式長期保有?株価の維持は、M&A対策となるのです。

「株主優待制度」
これには、企業のしたたかさがうかがわれます???

右の寫真は、キューピーの株主優待商品です。
箱を開けてみると、商品の詰め合わせが???
持株數や保有期間によって、內容が変わることもあります。

キューピー

  ワクワク???
  箱を開けてみて
2019年11月 かつての文化行政は今? 土屋正臣
現代政策學部は、政策學、法學、経済學、IT、福祉、文化など幅広い専門分野の教員から構成されています。研究論文や教科書ではない読みやすい形で、研究?教育の一端を毎月ご紹介させていただきます。
第1回は文化政策がご専門の土屋先生です。
私の専門は文化政策である。今日の文化政策と言えば、文化活動の振興や文化による地域づくりなど、比較的目新しい政策として取り上げられることが多いかもしれない。しかし、その直接の淵源にさかのぼると、1970年代の地域政策に行き著く。1970年代の文化政策は革新自治體(主に革新政黨の支持を受けた首長による行政運営)が主導してきた。都道府県レベルでいえば、兵庫県や神奈川県、そして埼玉県である。
當時、「行政の文化化」をキーワードに文化政策をリードしてきた畑和 埼玉県知事は、県行政として様々な文化に基づく施策を展開する一方、住民にもっとも身近な自治體である市町村の文化政策推進に注目していた。1980年代に埼玉県は、「埼玉県文化行政モデル市町村」として、嵐山町、狹山市、行田市、白岡町(當時)を指定し、市民參加による提言書の作成を促した。
このうち白岡町(當時)では、1980?1981年の2カ年にわたって、市民や有識者で構成された文化行政研究會が設置された。その議論の中で白岡駅自由通路に町民ミニギャラリー設置が提言され、実際に設置された。當時の感覚としては、個性的で、誰もが気軽に文化的な薫りに觸れられるような斬新なアイディアであったに違いない。白岡駅は1976年に橋上駅舎化しており、その4年後にギャラリーが設置された。現在でも市民の創作活動の発表の場として親しまれている。設置から約40年が経過し、日常生活のなかに融け込んでいる。
ミニギャラリーは、今日の文化による都市の再開発やトリエンナーレなどのアートプロジェクトと比較すれば、文化政策としてはごく小さな取組みに過ぎないかもしれない。しかし、その背景には、市民の參加によって新たなまちづくりを模索する行政と、それに応えようとする市民の真摯な議論や提言があった。この流れは、當時の自治體経営を問い直す試みでもあった。その上で実現したギャラリーは、現在まで引き継がれ、今なお、そこに暮らす人々に意味や価値をもたらしているとすれば、當時の文化政策の意義は失われていないのではないだろうか。

 
〔引用?參考文獻〕
?第二次白岡町文化行政研究會(1981)『展開と充実』
?ウエルシア介護サービス㈱HP
(https://www.welcia-kaigo.co.jp/news/白岡市市民ミニギャラリーに作品展示中%EF%BC%81/)

白岡駅ギャラリー②

現在の白岡駅ギャラリーの様子
ウエルシア介護サービス㈱HPより)

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